トップページ > 鹿野雑学入門 > 伝説と民話 > 鷲峰山と大山の背くらべ

 ずっと、ずっと昔のことです。因幡の国で一番高い「鷲峰山」と、伯耆の国で一番高い「大山」とが、おたがいに自分の方が背が高いといいあらそっていました。
 「やい鷲峰山。お前がいくらいばっても、おれの方が背が高いんだぞ。」と、大山がいいますと、鷲峰山も負けてはいません。「何を言うんだ。高いのはおれの方だ。」と、いつもいいあらそっていました。このけんかは激しくなるばかりで、いつまでたっても終わりそうにありません。 とうとう神様にお願いして、どちらの山の背が高いのか決めていただくことになりました。
 神様は、鷲峰山のてっぺんと大山のてっぺんに長い長い樋(とよ)をおかけになり、その真ん中に水を注がれました。さあ勝負です。低い方に水は流れるはずです。みんなが目をこらして見つめるなか、水はみんな西の方、大山の方に流れていきます。鷲峰山が勝ったのです。鷲峰山の背が大山より高かったのです。
 背くらべに勝った鷲峰山は、よろこんでみんなとお祝いのお酒をのみ、ぐっすり眠ってしまいました。負けた大山はくやしくてたまりません。鷲峰山がよく眠っているのをたしかめて、大きな杓子(しゃくし)で鷲峰山のてっぺんを大きくすくって逃げだしました。てっぺんをすくいとられた鷲峰山は驚いて目を覚まし、目をこらすと大山が大きな杓子に鷲峰山のてっぺんをのせたまま逃げていく姿が見えました。鷲峰山は大きな大きな声で「こらー、どろぼー!!」とどなりました。あまりの大声にびっくりした大山は、持っていた鷲峰山のてっぺんを落としてしまいました。しかしてっぺんをすくい取られた鷲峰山は、これから大山より背が低くなってしまいました。

「鷲峰山と大山の背くらべ」より


 

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