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「鷲峰山と大山の背くらべ」にまつわるお話し
逃げる大山を追いかけようと河内川に足をふみ入れた鷲峰山は、「ズキッ」と足に痛みを感じてすくんでしまいました。足の裏に蜷(にいな)が突きささっています。歯をかみしめて痛さをこらえていますと、いつもかわいがっている狆が、口に川藻(ウダ)をくわえてすりよってきました。この川藻(ウダ)を傷口にもんでつけると、出血もとまり、うずきもおさまりました。
神社の社頭には、普通一対の獅子のような狛犬がおかれています。ところが鷲峯神社の社頭の狛犬は、狆が張子形に彫刻されており、他に例を見ない特異なものといえます。この狆の狛犬は、1860(万延元)年に気多郡川積(青谷町北河原)の名工川六が刻んだものだそうです。これは鷲峯山と大山の背くらべのあったとき、蜷が足にささった鷲峯山に狆がウダを口にくわえてすりよった、という伝説を考えると、社頭の狆の狛犬(こまいぬ)もうなづけるものがあるようです。 |